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消える石鹸
kさんの娘さんが家出したのは、18歳の時だった。以来、5年音沙汰がなかった。お祖母さんは仏壇で毎日、孫娘の無事を祈るのが日課になった。娘がいない日常に慣れが出始めた頃である。
時折、風呂場から石鹸が消える事が起き始めた。風呂は毎日入る。お母さんにして見れば石鹸が残り少ないかどうかは把握している。
でも、唐突に石鹸がなくなる。一番風呂をするお父さんが
「石鹸ないぞ~」
と叫ぶ。
ネズミでもいて石鹸を持って行くのかしらとお母さんは怪訝に思った。ある日、お父さんが
「また、石鹸がないぞ~」と叫んだ。
やれやれとお母さんが新しい石鹸を下ろしたところ、お祖母さんが呟いた。
「石鹸がなくなるのは毎月15日だね」
「あら、そう?」
聞き返すとお祖母さんは暗い顔で呟いた。
「ここ一年だよ。毎月15日に石鹸がなくなる」
眉をしかめいると、さらに呟いた。
「あの子は15日に死んでいるのかもしれない・・・・・」
「馬鹿言わないでよ!」
お母さんは思わず怒鳴った。娘さんの遺体が発見されたのは、それからしばらくしてからである。死後、およそ一年。
絞殺死。山中に埋められていたにも関わらず、死因が特定出来たのには理由がある。犯人が幽霊に悩まされ自首した事だけではない。
死体は腐敗していなかった。生前そのままの様子を留めていた。遺体は屍蝋化していた。石鹸がなくなる現象は遺体が出てからなくなった。
時折、風呂場から石鹸が消える事が起き始めた。風呂は毎日入る。お母さんにして見れば石鹸が残り少ないかどうかは把握している。
でも、唐突に石鹸がなくなる。一番風呂をするお父さんが
「石鹸ないぞ~」
と叫ぶ。
ネズミでもいて石鹸を持って行くのかしらとお母さんは怪訝に思った。ある日、お父さんが
「また、石鹸がないぞ~」と叫んだ。
やれやれとお母さんが新しい石鹸を下ろしたところ、お祖母さんが呟いた。
「石鹸がなくなるのは毎月15日だね」
「あら、そう?」
聞き返すとお祖母さんは暗い顔で呟いた。
「ここ一年だよ。毎月15日に石鹸がなくなる」
眉をしかめいると、さらに呟いた。
「あの子は15日に死んでいるのかもしれない・・・・・」
「馬鹿言わないでよ!」
お母さんは思わず怒鳴った。娘さんの遺体が発見されたのは、それからしばらくしてからである。死後、およそ一年。
絞殺死。山中に埋められていたにも関わらず、死因が特定出来たのには理由がある。犯人が幽霊に悩まされ自首した事だけではない。
死体は腐敗していなかった。生前そのままの様子を留めていた。遺体は屍蝋化していた。石鹸がなくなる現象は遺体が出てからなくなった。

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